電子マネーとはここが違う!仮想通貨と定義する4つの仕組み

電子マネーとはここが違う!仮想通貨と定義する4つの仕組み

金融庁が定める仮想通貨の定義とは

改正資金法で定められた4つの定義

仮想通貨とは2009年にビットコインが生まれてから使われるようになった言葉です。日本では長らく仮想通貨は法律上で定義されていませんでしたが、2017年に改正資金決済法により、ついに公的な仮想通貨の定義が示されました。日本の金融庁による仮想通貨の定義は以下の通りです。この4点をすべて満たすものだけが、仮想通貨として扱われています。

  • 財産的な価値があり、不特定多数に対して売買できる
  • 不特定多数に対して物やサービスを購入する手段として使える
  • 電子情報処理組織を使い移動(売買、譲渡など)ができる
  • 法定通貨(円やドル)などで固定の対価が示されていない 

1つずつ確認していきましょう。

財産的な価値があり、不特定多数に対して売買できる

ビットコインには財産的な価値があります。それは他のイーサリアムやリップルなどのアルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)にも同等のことが言えます。また、仮想通貨は仮想通貨取引所を通して不特定多数に対して売買することができます。

不特定多数に対して物やサービスを購入する手段として使える

日本ではあまり普及していませんが、海外においてはビットコインで飲食費を支払うことができるお店が多く存在しています。また、インターネット上ではビットコインでWEBサービスの代金を支払うことができるサービスが年々増えています。このように、物やサービスを購入できるものが仮想通貨として定義されています。

ただし、現実的にはビットコイン以外の仮想通貨で物やサービスを決済できるものは存在しないのが実情です。あくまで決済手段としても使うことが「想定」されていれば、仮想通貨としての定義として認められる運用となっています。なお、この定義によって企業の株式などが仮想通貨としては除外されることになります。

電子情報処理組織を使い移動(売買、譲渡など)ができる

仮想通貨は、P2Pなどのネットワーク技術を使って簡単に通貨の保存先を移転することができます。例えば商店街が発行するサービス券などは、あくまで印刷された券のやり取りでしか譲渡ができません。そのため、仮想通貨には該当しないことになります。

法定通貨(円やドル)などで固定の対価が示されていない

これは一見するとわかりづらい定義かもしれませんが、SuicaやEdyなどの電子マネーとビットコインを分ける重要な定義です。SuicaやEdyは、1ポイント1円という固定のレートで購入することができます。このように、法定通貨によって固定の対価が設定されているものは、仮想通貨としては見なさないという定義がなされています。

ビットコインは仮想通貨取引市場によって、刻一刻と相場(価格)が変動しています。そのため仮想通貨に定義づけられるのです。

1号仮想通貨と2号仮想通貨の定義の違い

前の章で解説した仮想通貨の定義は、厳密には「1号仮想通貨」とされています。この1号仮想通貨の他に「2号仮想通貨」というものも存在するのでしっかり把握しておきましょう。 2号仮想通貨とは「不特定多数に対して1号仮想通貨と交換できるもの」を指します。この定義によって、いわゆるICO(InitialCoinOffering)も仮想通貨として見なされます。ICOは企業の株式市場における「上場前株式」「未公開株式」といった位置づけです。

仮想通貨取引所には上場していないため、仮想通貨市場で購入することはできません。しかしICOの発行元から直接「ビットコインなどの仮想通貨を交換」することで入手が可能です。2号仮想通貨の定義は「不特定多数に対して1号仮想通貨と交換できるもの」なので、ICOも仮想通貨に該当することになります。

ビットコインのような1号仮想通貨だけでなく、ICOのような2号仮想通貨も仮想通貨の定義に入ることを知らなければ、確定申告などの際に思わぬミスを犯してしまうかもしれません。多くの個人投資家は仮想通貨の定義の仕組みについては無頓着なところがありますが、しっかりと把握しておくことで節税などにもつながります。

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